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[コメント] 独立愚連隊(1959/日)

みんな無法者に憧れた。オレの親父(兵学校)も憧れた。筒井康隆も憧れた。(本作ほか『戦争と人間』のネタバレもあります)
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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オヤジはオレを作る前、川崎の商店街の映画館でオフクロをこの映画に誘ったのだそうだ(オフクロは迷惑千万だったようだが)。そしてオレが大きくなると、一緒にテレビで「戦争と人間」を観た。「戦争と人間」で八路軍に寝返る山本圭のように、この映画のヒーロー佐藤允も馬賊に寝返った。規律だらけの日本軍のなかで自分の意地を貫いた「愚連隊」のように、彼らはあの「大東亜戦争」のなかにあってさえ爽やかだ。

この映画の三船大隊長様にも代表されるように、筒井康隆も軍規にがんじがらめにされた上官を、そしてその元を離れて反逆に身を投じる若者を、オレの大好きなあの傑作戦争小説『馬の首風雲録』で追及してみたかったのだろう。この映画に見られるような、男のパラダイスとも言える擬似戦場のなかで…。筒井と同じく、この映画はオレにとっても「懐かしい戦争」である。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)甘崎庵[*] トシ[*] 町田[*] いくけん

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