コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ノー・マンズ・ランド(2001/伊=英=ベルギー=仏=スロベニア)

戦争仲介屋もマスコミもケツ食らえ!ボスニアの原野に空しく響き渡るひとりの男の切実なる叫びを聞くのだ!「死にたくねえ!だけどクソしてえ!!」
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







男なら誰でも判っていることだ。小・中学校の大便用トイレに入ることがいかに屈辱的であるかを。皆が衝立やドアの上によじ登り、ドアを揺らしてはやすのだ。俺はそんな屈辱を味わいたくなかった。かと言って、授業中手を挙げてトイレに行くと告げる度胸もなかった。だからひたすら我慢したが、時には洩らしてしまうこともあった。忌まわしい過去であり、だからこそ今でも下ネタには笑えてもウンコネタだけには絶対に笑えない。

銃とナイフで応戦しあうふたりの兵士はいい。人間のワク内で戦い、そして死ねるのだ。だが死刑台に寝かされて便意に身体をよじるあの兵士はどうだ。命と人間の尊厳をハカリにかけられている彼は。そのことに物語は残酷に沈黙したままエンドロールへと驀進してゆくのだ。こんな悲劇がまたとあろうか。オーバーだと思うヤツは今すぐパンツの中にウンコをひり出して…え?「反戦」?…ゴホン。そりゃ戦争はあって欲しくないし、自分も駆り出されたらすぐさま白旗ふり始める野郎だとは思うけれど、結局国連もマスコミも他人事としてひとりの男すら救えなかった罪は大きい筈だと思うんだけどねえ。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (7 人)プロキオン14[*] 不眠狂四郎[*] kiona[*] トシ[*] スパルタのキツネ[*] けにろん[*] sawa:38[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。