[コメント] 2046(2004/中国=仏=独=香港)
監督は、なんて男女の恋心を燻るのが上手いのだろう。まるでゲームのごとく進む男女の駆け引き・・・。ゲームも恋愛も思い通りに行かないから面白い。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
「花様年華」が「2046」の序章だ、と聞くこと少なからず。
映画自体はそれぞれ独立し、ストーリーこそつながりはあるが、「1を見ていないから2が分かんない!」などといったシリーズモノとはわけが違う。
何がつながっているか。
一番のつながりは、トニーレオン扮する「チャウ」の、「引きずる想い」だ。
だからこそより一層切なくなる。本当にカーウァイ監督はすごい。改めて思う。
「花様年華」で禁じられた恋に落ちてしまったチャウ。相手は結局自分を選ぶことはなかった。
しかし、チャウは確信があった。彼女も自分を愛していたと。
「2046」では数人の魅力的な女性と恋に落ちる、というか、恋のゲームを楽しむ。
本気になった女は必ず敗者となる。
そんな彼が劇中で書いていた小説。「2046では何も変わらない」
人間の心は日々移り変わるもの。
だからこそ人生は面白いし、多少のことがあっても永く生きてゆける。
しかし、これ以上ないくらいの「想い」をかつて抱いたチャウにとって、
かつて愛した女性への想いはもはや不変であり永遠のもの。
この小説は、チャウ自身のメルヘンな願望であり、愛する彼女へのメッセージなのではないだろうか。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。