題名から浮かぶ「過去のない男」＝記憶喪失者の苦悩と過去・未来

そんなベタなテーマはこの映画は無関係。

まず、それが意外だったのと、さすがアキ・カウリスマキ監督！

「自分は何者か」＝今までの人生

しかし、この記憶を失った男は

「自分は何者かわからない。しかし、日々生活していかなければ。

じゃ、家探さなきゃ。稼がなきゃ。仕事探さなきゃ。

あ、好きな人が出来た。デートしたい。自分のものにしたい。

あ、事件に巻き込まれちゃった。この場合はしょうがない。」

ストーリー全般において、一切悔やんだり悲観する事無く、

「じゃ、次行ってみよう」

てなノリ。

このテンポの良いこと！

観ているこちらが

「おいおい、そこもっとコダワレよ」

と突っ込みを入れてしまう、ブラックコメディー。

アキ監督常連の俳優陣。監督ファンは必見（既に見てるか）。