[コメント] ドリアン ドリアン(2000/仏=香港=中国)
大陸と香港の経済格差の前では感情の揺れ動きも人々の心理の交錯も伝統に根差した大陸文化も全く無力だ。経済の映画。だからこそあまりにも痛々しい映画。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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大陸と香港の間の衛生観念、所得水準、モラル、街を歩く人々の姿、そのギャップが引き起こす眩暈が大陸の人を香港に惹きつけ、心の中の何かを組替えてしまう。
ヒロインのイェンが香港を逞しく生き抜いてゆく姿は美しい。大陸に帰って癒されながら新しい道を探る姿は共感を呼ぶかもしれない。しかし通低音のように経済がイェンの生き方を支配している。大陸と香港の経済格差の前では感情の揺れ動きも人々の心理劇も伝統に根差した大陸文化も全く無力だ。
売春という手段により大金を得て大陸に帰ったものの、次の目的を見失い、故郷を彷徨う姿は、それが経済に翻弄された後の姿だからこそ、あまりにも痛々しい。
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