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[コメント] シェルタリング・スカイ(1990/英)

映像の美しさだけで観た甲斐があった、と思った。
ジェフリー少将

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







黄土色のコントラストで描かれる美しいスクリーンショットに、その美しさを極力損なわないカメラワーク。寂れた風味の現代音楽と、トライバルな民族音楽の対比。それらの絶妙なコンビネーションには原作の映画化としてこれ以上ない完成度だと感じました。

ポート(ジョン・マルコビッチ)がキット(デブラ・ウィンガー)の手を引いてタナー(キャンベル・スコット)との三角関係を断ち切ってしまう力強さと、疫病に倒れてしまう弱さ。 タナーと関係を持ってしまいながらもポートへの愛を貫こうとするキットのパラドックス。 世界の広さ、その中にある一人間の小ささ。 こうした状況がとても現実的で、とても共感を覚えました。

あるいは、余計な説明がないところも観る側に押し付けるところがなく好感が持てました。

ともかく、単なるドラマに終始していないところ、観る側によって違いはあるものの何らかのテーマが提示されていることにこの作品の真髄があるような気がしました。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)甘崎庵[*] ゑぎ tredair[*]

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