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[コメント] ボーダー(1981/米)

この作品は物語の面白さも有るが、主人公の造形(キャラ)が秀逸だ。そして、主題歌 'Across the Borderline’と挿入歌のロックの ‘Too late skin game’が佳い。詞も曲も最高だ。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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この主人公のキャラが、興味深い。本当は公園の管理人になってカモにエサをやるのが望みなのだが、浪費家の女を妻に持った(今も愛している)のが運のツキ [too late:立ち直るには遅すぎる]で、どんどん深みにはまって行く。というのも、もともと人に対して優しい所があるのだろう。

しかし、単に優しいだけの男ではない。赤ん坊とか弱者が迫害を受けるのは我慢がならない性格なのだ。その我慢がならないという所を、悪人の総元締めJJが見抜く、「あいつは、ヤバい野郎だぜ」。単に正義のヒーローではない。ちょっとコワいキャラなのだ。

物語としては、ラストが弱い感じもするが、これで好い。というより私はこういう甘いラストが好きなのだ。

不法移民の問題は、メキシコのみならず全世界で今(2019年11月)も起きている。つい先月末は、ロンドンでトラックコンテナから39人のベトナム人の遺体が見つかった。その中の女性の1人は発見される前に母にメールをしている「ごめんなさい、母さん。渡航は失敗。息が苦しい・・・」。そして更に先週は、ギリシャでトラック荷台に41人が見つかっている。

不法移民はこれからも絶えることなく、どこかで起き続けるだろう。現実にはチャーリーは存在しない。我々は、本作のような映画を観て留飲を下げるしかないのだ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)袋のうさぎ

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