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[コメント] 銃撃(1967/米)

一体どうなっているんだ?真相は何なんだ?という観客の問いを無視して、ヘルマンは好き勝手に話を進める。その少ない手掛かりから、2、3の真相は想像出来そうだが、彼が描きたかったのは、その真相とか理由とか経緯とかではなさそうだ。  
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「追う(砂漠での追跡行)」という1つの状況下での、登場人物の各々の思い(目的)と、死(=生)に向き合う姿を、ヘルマンは見たかったのだろう。

というと映画のあらすじそのまんまになってしまうが、極限においては、生も死も同じように思う。

ただ、主人公ウィレットが同行したのは、親しい奴(コリー)と弟(コイン)を守りたいという気持ちがあったからだろう。その意志は強く伝わって来た。なのに、2人共救えなかった。ので映画はそこで終了するのは当然だろうが、彼の悲痛な叫び声をヘルマンは入れていない。ただただスローモーションで表現しただけだ。

ラストは、殺し屋ビリー[ジャック・ニコルソン]が、大きな砂漠をよたよたと歩く遠景シーンだ。

生も死も同じような砂漠の中で、1人強い意志を持っていたウィレットの叫びは、きっと砂漠にのみ込まれてしまったのだろう。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)袋のうさぎ ゑぎ[*]

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