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[コメント] 崖の上のポニョ(2008/日)

100分の映画。60分までは5点。その後は1点。ラスト40分は物語が破綻した。というか、よく分からない。考えてみるに、此処にはふつうの作品のように、1つの世界は無いのじゃないか?
KEI

ふつうの作品は1つの世界があって、それを物語っていくが、本作は、世の中にある色々な世界の色々な印象深いシーンを取り込んでつなぎ合わせたものではないか。

だから、物語が強そうでしかし弱いとか、つじつまが合っているとか合っていないとか、強烈なシーンは多いのだが・・・という映画になってしまったのだ、と思う。

印象深いシーンを拾ってみると、

オープニングロールの絵本タッチの絵→絵本の世界そのもの。底引き網に引っかかるゴミの山。マッドサイエンシストの登場→よくある、ある。金色の波か魚か、魚か波か、それに乗って走るポニョ。これを見て‘ナウシカ’を思い出した。

幼児宗介の生活描写は現実の世界から採っている。朝食はママと車の中でとる。挨拶はきちんとする、出来る。ご飯食べながら、寝てしまう(これはポニョだが)。(私の孫の生活と同じだ)

海岸通りを疾走するシーン。怪獣に追いかけられるシーンと同じ。本編中最大の見せ場で、迫力あるものにはなっている。

キャラとして良いのは、グランマンマーレ。だが、巨大な女神というイメージは神話世界にはごまんとある。

ちょっと引っかかったのは、沈没世界を船で行き来する避難者たちの描き方。能天気なのどかな態度で、東北の人々(私も元東北民です)が見たら、気分を害するのではないか。もっとも、震災の3年前の作品なので、無理もないとはいえるが。

宗介の父の船が迷い込んだのは、「船の墓場だ。」「地獄の門じゃ。」と言っているので、 死後の世界か。灯りを点けた多数の船がこちらに向かって来る―このシーンも良かった。どこかで見たことのあるシーンだが。

デボン紀、カンブリア紀への回帰、月の接近(巨大な月:これもよくある)、世界のほころびが開いたとか閉まったとか、水中でバリアを作って(?)息が出来る、おばあさんの足が治った。適当に思い付きで並べただけのように思える。(そう言えば、ゴミ問題はどうなったんだ?)

宮崎は公式サイトで「人魚姫が頭にあった」と言っている。ああそうことか、と納得してしまいそうになる。がアンデルセンの‘人魚姫’は私ごときが今更言うまでもないことだが、キリスト教の人生観に基づいてはいるが、それだけでなく、人間、人生についての示唆に富んだ作品だ。そこが人の心を打つ。

宮崎の過去の作品のいくつかは、確かに人の心を打つものがあった。そんな作品はどこへ行った?今作を観て心を打たれた、感動したという声はいくつ聞かれたのだろう?

(評価:★2)

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