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[コメント] 劔岳 点の記(2008/日)

丹念に2時間かけて築き上げてきた感動が・・・、私が監督ならこうする―以下。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ラストに到って見事な程もたついた。当然来るべきはずの感動も何処かへ行ってしまった。

1.東の沢からの登頂はあっさりしすぎた。1つ2つアクシデントがあってもよかっ  た。

2.登頂目前、先を譲り合うシーンは良かった。その心にじっくりと浸っている間に次 のシーン・・・スパッとカット。それはないだろう!ここ迄素直に撮って来たのだからそ のまま素直に1つ1つ登って行く、しっかり頂上に立つ、肩を叩き合う・・・という形で いいじゃないか?クサくなるのが嫌なら軽めでもよいからそうしてほしかった。

3.総大将の笹野高史の扱いも余りにまんがだ。彼が逡巡しているのが分かる。も う少しどうにかならなかったのか。

4.どしゃぶりの中で電報を読むシーン。雨の中で読む人はいないだろう。読後泥水に 捨てるのはgoodだが読むのは軒先に行くとかにすべきだ。リアリティがないというか もっと気を配って欲しい。細かく言うなら捨てられた電報の文字が流れていないのも  気になった。

5.どなたかも触れられていたが手旗交信シーンが長すぎる。。ふつう、あんな所で一 人一人の名前を上げていく事はしないだろう。これもリアリティがない。彼らの功を 伝えるのが目的なら例えば「山岳会編 日本山岳史」とかいう本を出して、かぶせてい く、本のページを見せる、一人一人の名前が載っている・・・とかの工夫が欲しい。

6.これも多くコメントされているエンドロールの「仲間たち」。殊更それを書くという 辺りに変な感じを持った。書く必要も無かったと思うが。これこそクサい。

以下良いところ。4点にするほど良かった。

1.吹雪、雨、風、嵐のシーンがスゴい。観ていて冷気が伝わってきた。ぞっ!

2.大きな岩の落石シーン。こわい!前席の人も思わず身体をよけていた。

3.奥さん役の宮崎あおいは所謂おいしい役だが、好演という表現がピッタリでし  た。

4.主役の一人香川照之。実力派で今更なのだが、特に彼に合った役柄で代表作の一つに数えても良い出来でした。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)IN4MATION[*] サイモン64[*]

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