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[コメント] サード・パーソン(2013/米=英=独=ベルギー)

ハギスのプライベート風な作品。自分の好きな題材を好きな感覚で撮っているように思える。三組中アメリカ人とロマ族(ジプシー)の女がちょっといい。物語が入り乱れているので、整理すると・・・
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







三組と言うのは、

1、作家マイケル(リーアム・ニーソン)と妻エレイン(キム・ベイシンガー)と愛人アンナ(オリヴィア・ワイルド)の話。マイケルは息子:ロビーをプールで目を離した隙に死なせている。

2、ホテルの客室清掃係ジュリア(ミラ・クニス)と芸術家リック(ジェームズ・フランコ)とその愛人の話。ジュリアは不手際で息子ジェシーを死なせるところだった。その為、養育能力を疑問視され、弁護士テレサ(マリア・ベロ)が付いている。

3、そのテレサの夫スコット(エイドリアン・ブロディ)とロマの女モニカ(モラン・アティアス)の話。スコットも又よく見ていなかった為水の事故で娘を亡くしている。

上記の2と3は明らかにマイケルの小説の話。オープニングとラストは共にマイケルがパソコンで文章を打っているシーン、そして2つのの話は途中で霧のように消えていくからだ。

そして1もオープニングとラストを考えると、小説上の話かもしれない。が、現実を小説に書いているのかもしれない。

原題は‘Third Person’(三人称)だ。作家は常に第3者的に物事を見ているので、現実も幻想=話になっているのかもしれない。結局の所、そこはよく分からない。

こういうミステリアスな雰囲気は大好きだが、満点にしたのは、それだけではなく、子供を亡くした男、女、そして妻、愛人がそれぞれの立場で相手を思う心情が、切羽詰まって迫って来るからだ。意欲作であり、佳作だ。

(評価:★5)

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