コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] アメリカ アメリカ(1963/米)

アメリカ アメリカ。全世界の憧れであったアメリカ。しかし最近(今2018年)は、トランプ政権で様<さま>変わりしている。本作は、昔の良き時代の物語だ。そして色々なテーマを内包した本作だが、被征服民族(マイノリティ)と誇りについて、少し考える。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







こんなシーンがある。

トルコ人兵士が命乞いをするアルメニア人神父に「(教徒)全員を連れて来て、命乞いをしろ」と言う。神父は土下座から立ち上がり、唾を吐き掛ける。自分は土下座していたのに、皆といわれると拒絶した。これは、何だろう?これは日頃から‘誇り’を皆に説いていたからに違いない。‘アルメニア人全員の誇り’に反すると。

なんて、征服されたこともない1人の日本人が分かった様な事を書いてます。ただ‘骨身に沁みたのだろうな’という事だけは分かります。

また別のシーン。

主人公が旅立ちの前に、祖母の家を訪ねる。支度金の無心だったが、くれたのは短剣1本だけだった。世の中を渡って行くのに必要なものは、金でも紹介状でもなく、‘心に刃を’ということか。

実際には主人公はその剣で、生き延びる為に人を殺す。それは誇りを守る為でもあった。

その祖母は、自分の息子つまり主人公の父親を「トルコ人に尻尾を振る意気地なし」と言う。確かに意気地なしではあった。が、全編の最後の一言は父親についての事だ。それが彼の‘誇り’だったとすれば、誇りについてもう少し考えてみたいと今私は思っている。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (3 人)週一本 ぽんしゅう[*] 袋のうさぎ

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。