[コメント] サマータイムマシンブルース(2005/日)
練り上げられたプロット。それを、知性のカケラもないお気楽大学サークル生を駒に展開させることで、ご都合主義に見えてしまうのを回避しているところまで含めて、巧い。
部室、それを囲むキャンパス、さらにその周囲に拡がる町、これらの空間造形がなぜか印象に残る。部室は汚いがキャンパスは近代的で綺麗、町にはなぜか五重塔があったり昔ながらの商店や古い映画館もある。で、学生たちはみんな標準語。これは明らかに架空の町の架空の大学。その、地に足が付いてないふわふわしたリアリティの欠如と学生たちの俗っぽさの対比が不思議と魅力的。
わずか2日間の出来事という時間の切り取り方も絶妙。大学生の夏休みという刹那な瞬間が、タイムマシンというツールによって過去と未来につながり永遠性と交錯する、逆説。そのへんも何だかイイ。
スローモーションだの、やたらとエフェクトを多用する(特に序盤)ところなど、演出はイマイチだけど。
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