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[コメント] エリザベスタウン(2005/米)

プロット構成のユニークさと云い、これでもかと趣味丸出しで押し付けてくるBGMと云い、主演二人のスター性で辛うじてメジャー映画の体裁を保ってはいるものの、一般受けをハナから狙わず完全に趣味で作った映画、という印象。
緑雨

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







画面いっぱいトラックがバックで迫ってくるオープニングシーンから、ヘリでのオーランド・ブルームの視線で状況を醸し出す導入部はかなりのクオリティを期待させるものがあった。が、あれだけ勿体ぶった新型シューズ大失敗のエピソードがほとんどプロット上機能しなかったり、キルスティン・ダンストが神出鬼没に出たり消えたりしたりするあたり、かなりユニークな構成。告別式のシーンでいきなりスーザン・サランドンがスポットライトを浴びる唐突さも含め、このギクシャクさを敢えてやってるのだとすると却ってスゴいよと褒めたくなってくる。

告別式のシーンは佳い。いきなり鳥の模型が燃え出し、スプリンクラーの雨の中バンドの演奏が続けられる、あの非日常感が堪らない。ケータイでの長電話やラストの再会に至る「特別な地図」での長旅誘導のシークェンスなど、やや歯の浮くようなところもあるが、悪意のない善良な人々しか出てこない、優しい眼差しに溢れたキャメロン・クロウ節は健在で、後味は宜しい。

(評価:★3)

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