[コメント] カポーティ(2006/米=カナダ)
フィリップ・シーモア・ホフマンのエキセントリックな演技も強烈なのだが、それを自然に受け止めてしまうキャサリン・キーナーの巧さには唸らされる。
前半部がいい。寒々しいロングショットを効果的に差し挟むことで、カンザスの片田舎の荒涼とした雰囲気が印象深く刻まれる。不意に生じた凄惨な事件、都会からやってきた場違いな作家たち、という異物が混じり込むことで、寡黙な片田舎が不穏な空気で乱されていく。ワンシーンが短く、科白が終わるや否やシーンが終り切らないうちに次のシーンを繋いでいくテイストの編集が、映画にテンポを生みだしている。
ところが、中盤以降途端に冗長になってしまう。特に、拘置所でのホフマンとクリフトン・コリンズJr.のダイアログには緊張感や薄ら寒さを創出しようという工夫があまり感じられない。
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