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[コメント] トウキョウソナタ(2008/日=オランダ=香港)

映画において「家族」を描くとは、「食卓」を描くことなのだろう。『ゴッドファーザー』然り『家族ゲーム』然り。そしてこの映画でも印象的な「食卓」の場面が登場する。
緑雨

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







リストラ家庭を題材にした社会派作品を想像していたが、思った以上に寓話的であった。正直現実感は微塵も感じない、というかあえて意表を突くような要素(米軍志願、ピアノ天才児、間抜けな強盗…)を繰り出す手法に寓話性を演出する巧妙さを感じる。

そして香川照之演じる偽悪的なまでに典型的小物な主人公を造形し、彼の破綻を予感させることで物語への関心を引っ張っていきつつ、ラストのドビュッシー演奏で何だか救いが訪れたかのような気にさせて誤魔化してしまうという、かなり計算された構成(誉めてます、一応)。

しかし、小泉今日子はいつの間にこんな自然な気だるさを表現できる女優になってしまったのだろう。なんてったってアイドルも今は昔。

(評価:★3)

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