[コメント] トイ・ストーリー3(2010/米)
一瞬たりとも退屈させない。ほぼ完璧。そして、このシリーズの秀逸なところは、人間の営みに通じる感情や社会の仕組みを玩具たちに正確に投影しているところにある。
たとえば、玩具たちが抱く、嫉妬や疑心暗鬼、信頼を裏切られる絶望、一方通行な思いが通じたときの歓喜といった感情。
或いは、保育園で桃色熊ロッツォが構築する秩序は、既得権益に守られた者がその埒外にいる者たちの犠牲の上に安住するという、人間社会に普遍的に存在する支配構造を反映している(それが意図されたものであるか否かに関わらず)。
そうした確固とした見識に裏打ちされた作劇が為されているからこそ、観る者に自然な感動を生じさせる。
個人的には、活劇としてのクオリティは前2作を大きくは超えていないように思えた(前2作がレベル高すぎるのだが)。一つ取り上げるならば、ウッディがグライダーで保育園から脱出する場面の飛翔感は素晴らしい。
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