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[コメント] 稲妻(1952/日)

金に群がるあさましき人間の醜さは芙美子ワールド全開といった感じだが、成瀬の手にかかると喜劇性を帯びて可笑しみさえ感じられてくるから凄いものだ。
緑雨

ここでも浦辺粂子の惚けっぷりは絶品で、クールで熱い高峰秀子との掛け合いが素晴らしい。しかも、そこで稲妻かよ!

いつもながら科白も佳い。階下に降りてくるよう二階に呼びに来た長姉・村田知栄子に対して高峰が放つ「仏さんに縁のない人がいるところになんか行きたかないのよ!」とか。

オープニングの銀座はとバス周遊に始まり、大川端での村田と小沢栄の逢引き、「渋谷の温泉」「神田のバー」「世田谷に部屋借りた」など具体的な地名が次々繰り出され、昭和20年代往時の東京の姿を堪能できるのもまた興味深い。

スクーターの耳障りなエンジン音とともに現れる小沢、村田や中北千枝子の気だるいシミーズ姿、頼りにならない義兄・兄と爽やかな根上淳の対比など演出も効いている。

(評価:★3)

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