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[コメント] 三度目の殺人(2017/日)

法廷劇ならぬ面会劇という境地を極めた。ただそこに居るだけでドラマになってしまう広瀬すずの存在感も素晴らしい。
緑雨

万引き家族』を先に観たのだが、同じ印象。現実の苦しさを描こうとして、現実に引っ張られ過ぎ。映画ならではの超越が無い。川崎、河原、という設定は現実の事件を想起させるし、仄めかされる「動機」も、どこかで聞いたような話だ。

秀逸なのは、奥が深くて掴みどころのない役所広司のキャラクタ。劇中のセリフにもあるように、まさに目の見えない人が象を触っているかの如き。それを体現してしまう役所はやはり凄い。そしてその演技を引き出してみせた是枝の手腕も確かなもの。

最初はビジネスライクに構えていた福山雅治が、次第に心揺さぶられていく流れは『そして父になる』と同様。それにしてもこの監督は、「父親」の在り方を描くことへの執着がいつもながら強い。自分も「父親」の端くれだが、個人的にはこの執着がどうも腹に落ちない。父親なんざ、子供からみた客体であればよくって、そんなに自意識過剰に捉えるべきものでもないと思うのだが。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] ゑぎ[*]

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