[コメント] シェイプ・オブ・ウォーター(2017/米)
これぞ映画にしか創ることのできない世界。一見B級っぽい態をして、ギレルモ・デル・トロは、実に周到にバランスをとって作品世界を構築している。
階下の劇場やティール色のキャディラックなど古き良き時代の空気を漂わせつつ、マッチョなエリート軍人やコンサバ差別主義のパイ屋店員など暗黒な側面をも匂わせる。そして、美しくロマンティックなファンタジーでありながら、生命の根源的な欲求、性(サリー・ホーキンスの入浴中の自慰、彼の身体の構造をジェスチャーで示す件り)、食(茹で卵、パイ、そして猫)、暴力(血、指、電気警棒)など形而下的な要素が満載される。
そのインテリジェントな完成度には感心するが、それがゆえにどこか突き抜けない物足りなさも感じる。
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