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[コメント] リメンバー・ミー(2017/米)

生者の誰からも思い出されなくなることで死者は真に死を迎える。誰もが直感的に理解できるそのテーゼを作劇の根幹に据えたことこそが慧眼。
緑雨

メキシコの「死者の日」は『007 スペクター』のオープニングでも設定に採り上げられていた。宗教的意味が「お盆」とほぼ同じなので日本人の観客には馴染みやすい風習である上に、ラテンならではの陽気さがあいまって、とても魅力的な映画の舞台となっている。色とりどりに墓参りをする人々と死者たちの間を、ミゲルが突っ走るシーンのスピード感と鮮やかさに目を奪われる。

「死者の国」の壮麗で猥雑な造形にも高揚するが、中盤はやや中弛み。が、デラクルスに辿りついてから物語の疾走感のギアが上がる。クライマックスの真相明かしは見え見えの予定調和だが、幸福感は何物にも代えがたい。

(評価:★4)

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