時の流れをとても上手に表現している。そして、その時の流れの中で「習うより慣れろ」、継続することで物事が分かり、所作が自然に身についていく。茶の道がすっと心に染み込んでくる。

もちろん黒木華と樹木希林の二人の素晴らしさも。多部未華子や鶴見慎吾も、とてもよいじゃない。「一期一会」を語るためだけに出てくるような鶴田真由も印象深い。自然で押し付けがましくないが、想いは明らかに伝わる。

そしてシーンの美しさ。茶の間の簾越しに陽光が柔らかく射し、夏の暑さも冬の寒さも空気として伝わってくる。

二十年を越える長い月日を描いているからこそ、一期一会が深く染みる。