[コメント] 真実(2019/日=仏)
ご多分に漏れず『歩いても 歩いても』を想起してしまったが、カトリーヌ・ドヌーヴ繋がりでは『クリスマス・ストーリー』も連想される。オープニングの風に揺れる樹木は、ロメールを彷彿とさせるなど、是枝のフランス映画への傾倒を感じられたり。
一方で、是枝オリジナルな要素も散りばめられている。劇中劇の風変わりなSFの作風や、カメのフィリップの件りや、魅力的な道化役のイーサン・ホークの在り方など。
キーパーソンとなるサラという人物のディテールが最後まで語られないあたりが妙味だし、ドヌーヴとビノシュの愛憎も、具体に踏み込む前に有耶無耶のうちに昇華されていく。そう、ディナーの後、路上で皆んなで踊る、あの幸福なダンスシーンのように。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (3 人) | [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。