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[コメント] しとやかな獣(1962/日)

空間への執着が作家魂を呼び覚まし、狂人絵巻を展開させた?若尾文子は確かに凄いが、ホントに凄いのは山岡久乃が醸し出す冷たい感覚かも。
緑雨

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







おそらく当時は目新しかったであろう、高層団地の一室という空間に対する執着が凄まじい。あっちからこっちから、カメラワークを駆使して一室で展開される人間模様を切り取っていく。

そしてそこで描かれる人間模様の浅ましさ。出てくる面々の下賎な悪党っぷりが徹底している。やや一本調子でだれる感もあるが、姉弟が真っ赤な夕焼けに染まるベランダをバックに狂ったように踊り、傍らで父母が蕎麦(だっけ?)をすする場面のシュールさは強烈。さらに最後の船越英二の使い方なんて、確信犯とでも言いたくなるほどの巧さ。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ぽんしゅう[*] 死ぬまでシネマ[*] ボイス母[*]

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