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[コメント] Z(1969/仏=アルジェリア)

娯楽作品としてもじゅうぶん楽しめるが、当時の時代感覚を反映しているという点からも興味深い。銃でも刃物でもなく、殺戮の道具はあくまで棍棒。
緑雨

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







およそ人が人を殺す手段として、棍棒による撲殺ほど惨たらしいものはないんじゃないだろうか。

この映画、オープニングとラストが秀逸。

葡萄の病害対策の話から入って、何じゃこりゃと思ってるうちにそれが政府による思想統制のメタファーだと分かる。この展開でぐっと話に引き込まれる。

ラストのドキュメンタリー番組風の後日談解説。キャスターを務めていた記者が投獄者リストの一員にすりかわって…あとは政府による禁止時効の羅列がひたすらと。敢えて皮肉っぽくまとめることで、虚しさと空恐ろしさが余韻として残る。

(評価:★4)

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