コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ワイルドバンチ(1969/米)

徹底した「神」の視点。
緑雨

俯瞰的なスタンスを貫き通しているとの印象。ロングショットが多用される構図に限った話ではなく、個々の登場人物に観ている側の感情が入り込むことを拒絶したかのような脚本・演出。ワイルドバンチの面々も、追うロバート・ライアン率いるならず者軍団も、メキシコの山賊たちも、犠牲となる女子供も、それぞれに等距離を置いて突き放したスタンスは、人の世の無常な営みを眺める「神」の視点であるかのようでもある。そして、サソリに群がる蟻を眺め楽しむ子供たちの視点にも重なる。

描いているテーマは共通しているかもしれないけど、こういうケレン味の欠片もないスタンスって、例えばマカロニウェスタンなんかとは対極の位置にあるように思う。個人的にはもっとケレン味たっぷりな方が好みではあるんだけど、これはこれで印象的な映画だ。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (4 人)DSCH[*] けにろん[*] ina ぽんしゅう[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。