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[コメント] マルサの女(1987/日)

戦後日本の煩悩が、はち切れんばかりに膨らんだ、あの時代を象徴する作品。
緑雨

本多俊之によるテーマ曲、不協和で扇情的なサキソフォンの旋律に乗って繰り広げられるのは、領収書、通帳、印鑑、そして札束を巡るアナログで即物的な攻防戦。

オープニングがいきなり爺さんに乳首を吸わせるナース。これ、昔は地上波で普通に放映してたんだよな。部活の合宿で皆で観て盛り上がった記憶がある。裸の愛人が股にティッシュ挟んだ後ろ姿だったり。絵沢萠子の「さあ探せ、女はここに隠すんだ!」も強烈な印象。

山崎努宮本信子の、それぞれのキャラクタ造型が素晴らしい。片足不自由な山崎のくねくねダンス、コップから溢れて垂れてくる滴を舐める仕草。寝癖のついたおかっぱ頭にそばかす、サングラス、宮本の登場シーンも忘れ難い。

パチンコ店主伊東四朗の顔が真っ赤になったり、「マルサのジャック・ニコルソン」なんてベタな遊びも程よく悪くない。

(評価:★4)

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