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[コメント] おもひでぽろぽろ(1991/日)

「おもひでぽろぽろ」とかいうタイトルでジブリ風ちびまる子ちゃんかと思わせといてプチ・エコテロ?宮崎さんにしろ高畑さんにしろ、ああ、ジブリの人ってタチが悪い!
movableinferno

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







想像していたものと全然違った。もっとノスタルジックないやらしい映画だと思っていた。たしかにいやらしいけど、いやらしさのベクトルがちがった。たじろいだ。普通の田舎礼賛ノスタルジー映画は「田舎田舎ってな、おまえら上っ面しか見てないだろうが!田舎大好きって言いながら、田舎で生きることなんか考えたこともないだろうが!本気だったら田舎で暮らして農業やってみろ!百姓やってみろゴルァ!」なんて言わないもの。

高畑さんに聞きたいことがいろいろある。

・なんで小学5年生なんですか?(→これは多分、高畑さんが昭和40年代をターニングポイントとしてとらえているからなんだろうな。だから、なんで昭和40年代なんですか?と聞くべきか。「E.T.」の指くっつけシーンなんてものがでてくるからアレ?と思って計算してみたのですが、「E.T.」は1982年の作品。「おもひでぽろぽろ」の舞台は夏だったから、日本公開が82年だったとしても「おもひでぽろぽろ」は1983年以降の話ということになる。83年に27歳なら、11歳のときは67年=昭和42年。これは「ひょっこりひょうたん島」放映時期とも重なる。これはヒロインが「昭和40年代に小学校高学年だった27歳の女性」である必要があった、ということなんだろうな。それ以外に、91年の映画なのに、わざわざ80年代初頭を舞台にする必要ないものね。)

・なんでハンガリー民謡なんですか?(「百姓の歌」でどうしてストレートに日本の民謡じゃなくてハンガリー民謡を持ってきたんだろう。これもワケがあるのかな。単なる好みの問題だとしたら、これはちょっとハナにつくよねー、と思った。)

・タエ子のお父さんは、なぜあんなに裸足にこだわったんですか?(これも裏に凄いストーリーがありそうでワクワクする)

次がいちばん聞きたいこと

・なぜラストシーンの<タエ子とトシオの再会>はあんなに淡白なんですか?

・って言うか、あれ、ちがうんじゃないですか?忘れ物取りに帰ったとか、そんなことでしょ!そうなんでしょ!?

みなさん「タエ子はトシオとの結婚を選んだ」と思われたようなんですが、わたしはどうも、ちがうような気がするんです。子供の姿のタエ子や同級生たちがうわーっと出てきて、「愛は種子、君はその種」なんていう歌が流れているからそう見えるんですが、それにしちゃあ、タエ子が電話をかけたときのタエ子自身も、本家の人たちの様子も、そのあとのトシオとの再会シーンも、えっらい淡白なんですよ。なんかもうちょっと、浮かれた演出があるんじゃないですか普通。せめて再会したときに顔を赤らめるとかさ。トシオももうちょっとびっくりしてもいいんじゃないのかなあ。忘れものを取りに帰ったってのはさすがにちがうだろうけど、なんか、高畑さんにミスリードされてるような気がするんだよなああ。 じゃあ一体どういうことだったのよ?と聞かれると、わたしもわからないんですけどね。だからこそ、高畑さんを問い詰めたい!

追記:「アニメでやる必要ない実写でできる」というご意見が多いのですが、わたしは全然そういう風には思いませんでした。「この題材をアニメーションで撮るべきか?」どうかはわたしにはわかりませんが、大人になったタエ子と子供の頃のタエ子の描き方を全く違えること(あれは「記憶というものは事実そのものではなく自分の中で脚色した物語なんだよ」ということですよね。)や、はじめて男の子に好かれて舞い上がるような嬉しい気持ちを、本当に空に舞い上がっていくという表現で描いたり、ラストシーンで本家に引き返すタエ子の周りに子供たちが現れて背中を押したり木で作った大きな相合傘をさしかけたりする表現は、アニメーションでなくてはできないものだと思いました。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)けにろん[*] トシ[*] たかやまひろふみ

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