『下妻物語』は楽しませてもらったけど、これはどうかと思う。ダメ男に振り回され、人生をつまずいた女性の話なんだけど、ミュージカル的な演出がところどころに入る様な映像だと不幸感がかなり薄れる。原作は未読だが、たぶん原作だけ読むともっと暗い話の印象を受ける作品ではないかと。

たぶん監督名を知らないで見ても「この作品は『下妻物語』の監督の作品では？」と当てられたと思うけど、こういうクセのある演出は持ち味とは認めるが何でもかんでもはどうなのかなと。　堤幸彦監督もクセのある演出をする人だけど、例えばテレビ版セカチュウは監督らしいけど、いつもの監督とは違う一面を見せてくれた。偶然に『嫌われ松子の一生』のテレビ版を見る機械があったが、やっぱり暗い印象がつきまとう感じだった。映画が受けたのでドラマ化になったのだろうが、この作品はテレビ向きではない。

ただ中谷美紀のぶっ飛んだ演技は説得力があった。この作品の中谷のキャラなら売店のお金を盗んだのは自分と言う事にしょうという発想をしても全然不思議ではなかったが、内山理名だとその発想は無理を感じた。