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[コメント] ゲド戦記(2006/日)

宮崎駿の最大の幸運と不幸
早秀

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ズバリ鈴木敏夫商業プロデューサーとの出会いである。

彼と出会っていなければ今日の宮崎駿はなかっただろうし、ジブリ自体もセコセコ子供向けの連続アニメを制作するいちアニメスタジオだったと思う。

商業プロデューサーだけあって、金の流れの変化に敏感である。『ハウルの動く城』を見て宮崎駿の才能の枯渇を感じた彼の次の一手は息子を担ぎ出す事。

スポーツ選手の才能の枯渇は体力の衰えだけど、文化的な才能の枯渇の原因は「こだわり」の強弱だと思う。例えばあるシーンを撮り直すと3日ロスになってしまうが、それを強行したり、パッと見わからない手直しをしたり、普通の人が実現は無理と思うプロットを手間暇惜しまず実現に向かったり。『ハウルの動く城』は本当に雑な作りと思った。とても『千と千尋の神隠し』の世界観を作った人とは思えない程。

たぶん宮崎駿の息子なんだからスタッフは冷たく接しないだろう。本作を見て感じたけど、ジブリ作品の大部分は大勢のスタッフに作られてるんだと思った。どう見てもジブリ作品の色が濃かったし。ただ、スケールの大きさを感じない。

まあ中身の事に触れると、最後の最後に女の子が竜になって悪者やっつけて、めでたしめでたしになるのがわからない。人狩りに襲われた時点で竜になって暴れろ、もしくはクモが何か企んだ時点で殺せ。(笑) それを言ったらどんな物語も成立しないだろうというツッコミがあるだろうが、ホントどーでもいい物語だった。

(評価:★2)

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