[コメント] ユナイテッド93(2006/仏=英=米)
ジャック・バウアーはいない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
お正月休みに「24」のシーズン5をぶっ続けで見終わった後、
チルアウトしたくてこの映画を鑑賞してみました。
ものすごい不謹慎な鑑賞姿勢です。
しかし、どちらもドキュメンタリータッチのフィクションにして、
テロを題材にした作品ですし、同列に語ることが許されないほどの差があるでしょうか。
確かに、この「ユナイテッド93」には実在の犠牲者がいて、
その遺族の痛みという最も厳かで尊く、
映画にとって危うい火種を抱えているには違いありません。
けれど僕は「24」と同じくらいこの映画にハラハラしたし、
管制塔や軍の司令部がパニックに陥る様子などは「24」と被りまくりでした。
チルアウトどころじゃないと思いました。
乗客たちがテロリストに立ち向かう立派な姿は、遺族の方たちの心を慰めたでしょうか?
そしてそれは果たして真実だったのでしょうか?
証明し難い真実について、あたかも真実のように再現する(「ユナイテッド93」)のと、
絶対あり得ない奇跡的な不死身振りを、あたかも現実でリアルタイムのように演出する(「24」)のと、
いったいどこが違うのでしょうか?
どちらの物語も、テロの恐怖や、人々の平和を願う気持ちを存分に描き切っていたと思います。
終盤、テロリストたちも乗客乗員たちも、それぞれの神に祈ります。
そして機体が地面に近づいていき、僕たち観客は知るのです。
ジャック・バウアーのいない絶望を。
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