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[コメント] ダウト あるカトリック学校で(2008/米)

主に会話劇のみで進行するミステリ。主軸は、厳格なシスターと自由主義の神父の喧嘩。そのシンプルでストイックなテーマと構造を維持するため、映画的な恍惚感や解放感を要所に散りばめていてすばらしい。
まー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







主役二人は文句無しだが、我々観客の目はエイミー・アダムスの目であり、

その純真さに身を委ねたからこその中立視点の維持。

ここはミステリーにとって肝です。

「噂」に関する神父の説教の場面。枕の羽が街中に飛び交うビジュアルのなんという幸福感。

ここで観客は一瞬ですが神父の優位性を確信し、メリル・ストリープの味方は一人もいなくなりますが、

後半はメリル・ストリープの独壇場で、偏執狂属性が次第に薄れ、子供を守ろうとする代理刑事属性へと。がんばれがんばれ、暴け暴けと。

やったのかやってないのかは結局明かされないが、そんなことはもうどうでもよくて、

ただ、最後にあの厳格なメリル・ストリープが、

「疑う」ことの苦しさに負けて泣き崩れたのが、僕にはショックでもあり、深い感動でもあった。

否、負けたのではない、という人もいるだろうが、「にんげんだもの」というやつですよ。

そしてエイミー・アダムスがそっとそこに寄り添い、カメラはずっと引いていくあの静けさ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)jollyjoker[*] Orpheus 死ぬまでシネマ[*] シーチキン[*]

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