[コメント] キック・アス(2010/英=米)
一点の曇りも、恥ずかしさもなく、これは作家映画だと言える。アメコミもヒーロー映画も好きではないが、ヒットガールのキャラ造形にはど肝を抜かれた。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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年端もいかぬ子供に卑猥な台詞をしゃべらせたり、人間を殺しまくらせたり。
確かに出資する側からしたら
「このキャラって成人じゃだめなの?ルーシー・リューじゃだめなの?」ってなるよな。
モラルを犠牲にしてでも、個人で出資してでも、この世界観を描きたかったのだろう。
アメリカのヒーロー文化という正義を隠れ蓑にした、暴力とセックスの低脳エンタメワールド。
ナンセンスと本線を行ったり来たりするような、オタクたちが狂喜乱舞するための数々の仕掛け。
(ツイッターやyoutubeで自分が有名になっていく過程の現代的で身近な興奮とか、
金に物を言わせフル装備を誇るレッドミストへの純粋な嫉妬だとか、
どこまでも自虐的な主人公のキャラ設定と、その成長路線への切り返しなど)
しかしそのくだらない世界観の中心にぶっとく1本、ヒットガールの「本気」が常に立ちはだかる。
彼女の存在自体の危うさを孕みつつ軽快に復讐劇を昇華させていくプロットの見事さには唸る。
B級や低脳映画への無自覚、無責任な愛と、
確信犯的なテクニックとが噛み合った見事な映画であると言える。
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