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[コメント] 北京ヴァイオリン(2002/中国=韓国)

古い邦画等で使い古された題材だが、この映画が有効なのは中国は未だに近代化の渦中にあるからだろう。
Kavalier

ベタな題材に、様々なプロット(親子関係、師弟関係、思春期の少年の微妙な感情等の人間ドラマから、都会で孤独に生きる女性、貨幣や衣装に仮託されて描かれる都市と地方の対比といった社会的題材、或いは血縁と教育といった教条的なテーマ)を複合的に組み込んで驚くほど高い完成度に仕上げているが・・・。

ただ、チェン・カイコーが職人監督になっていくようだ。過去の彼の映画で見られた強烈な作家性みたいな物が感じられない。それでも、芸術映画を描く最低限の基準は守ってみせる。それは、遺伝的形質(才能)に全ては帰結するこいうこと。努力はその上に付随するものでしかないのだ。

あとは、主役の少年が、実際にヴァイオリンを演奏できるので、過去の音楽映画で感じた演奏シーンでの違和感を感じない部分はプラス。

(評価:★4)

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