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[コメント] 海の上のピアニスト(1998/伊)

テーマ曲「LOST BOYS CALLING」がとても好きです。ノスタルジー
草月

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







古き良き時代(こんな曖昧な言葉ではダメよね)への郷愁、がテーマでしょうか・・。

1900がレコーディングする場面が象徴的です。彼は初恋の彼女のために捧げた曲がレコードになる‘意味’が全く理解できない。文明は「遠く離れたより多くの人間に」が基本です。コアな部分が5割程度に薄まっても、です。1900の全身全霊を込めた情熱を命を、レコードを介して不特定多数の人間に伝える、その見返りにお金儲けが出来る・名を売る。現代の我々から見れば当然の行為のように見えるけど、彼はそうじゃなかった。

私達人間は、多分大昔は、身近な人間を相手に感謝したり、怒ったり、愛したり、魂のやりとりをするのが普通だったと思う。というか物理的に近くの人間しか相手に出来なかった。 文明は私達を広げた。便利で合理的。誰も時代に逆らえない。そして必ず時代について行けず滅びていくモノ・人・生活(例えば長い船旅の愉しみ)がある。

1900はまさに時代(船)に取り残された人なのである。船から降りて欲しかった(新しい時代に適応して欲しかった)観客の希望をよそに、そういう人は「船から降りない」のである。わかってても「降りて欲しかった」その切なさに私は涙する。

 と勝手に思い込んでますが、映画はとても甘いファンタジーです。語り口が平易で、楽しませてくれる場面もたっぷりで、強引に泣かせてくれる所に抵抗を覚えつつも、笑って楽しめて泣いた、そんな映画だった。

ラストはご愛嬌です。そりゃないよ〜な設定で1900の屁理屈も半分飛ばして聞きました。やや引くも上に書いたように自分なりに解釈しました。

テーマ曲すごくいい。エンドロールで歌われる歌詞♪〜決してあなたを一人にはしない〜彼の中の子供を抱きしめる〜♪  あーん、これひょっとして母性愛にも訴えるんかしら?

このあと『そして船は行く』を見たら、出だしがそっくりだった!船の映し方もそっくり。内容は・・自信ないのでコメントできません。ひょっとしてこの著名な監督のこの映画も消え行く運命なんだろうか?また機会があれば見てみようかなっと。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)アルシュ[*] Myurakz[*]

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