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[コメント] SPACE BATTLESHIP ヤマト(2010/日)

宇宙戦艦ヤマトの実写化。構想36年とあります。それでコレかよ! 配役を見て青い顔の人たちは出ないとは思ってたけど…。ウリのCGもパターンが少なくない? 恥ずかしいから絶対に海外に出さないで! 拙い芝居に対する笑いと原作を冒涜した怒りとを堪えるのに必死だったよ。(2010.11.18 試写会レヴュー)
IN4MATION

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ストーリーは劇場アニメ「宇宙戦艦ヤマト」と「宇宙戦艦ヤマト〜さらば愛の戦士たち〜」を足して10倍希釈したようなペラペラな薄さです。

ガミラスが遊星爆弾を落として地球を放射能汚染し始めて5年。地球の人類(オール日本人)滅亡まで1年という時にヤマトが放射能除去装置をくれるというイスカルダルを目指す、というのが本筋です。

ココから先は原作を知ってる人なら誰でもが思う突っ込みどころ。

14万8千光年離れてるイスカンダルにワープ3回で到着します。

その間に戦闘は2回。波動砲を2回撃っただけです。

アステロイドベルトはおろか、冥王星での反射衛星砲戦も七色星団での死闘を演じたドメル将軍も三段空母も出てきません。

原作ではガミラスとイスカンダルは双子星だったというかなりショッキングな展開でしたが、本作では、ガミラスとイスカンダルは全く同じ星です。コインの裏と表と表現してました。

要するに、北半球がガミラスで南半球がイスカンダル。

星の寿命とともに我々も滅びましょう、という穏健派がイスカンダルで、いやいや、他の星に移住してでも生き残るぞ、という過激派がガミラスです。イスカンダルは少数派で星の中央に幽閉されています。

ちなみに、配役を見てお分かりの通り、青い顔をしたガミラス星人は本作には登場しません。イスカンダル人もです。地球人しか登場しません。

彼らは思念体として生きているので、実体はありません。じゃ、何のために地球を放射能汚染してんのか、意味わかんないんですが・・・。

戦闘員らしきエイリアンもどきも、ガミラス戦艦も全て思念でコントロールされているため無人です。しょぼしょぼです。やっつけてもやっつけても出てくる→ワープで逃げる、の繰り返しで到着してしまいます。

辛うじて思念体の声優は原作のデスラー(伊武雅刀)、スターシア(2代目:上田みゆき)が演じていたことが救いでした。ガミラスの思念体はターミネーターみたいでした。

さらに細かいことを言えば、まずは主砲の威力だろ、と!

この映画、ヤマトの主砲を軽んじ過ぎ!

ヤマト発進前の、最初のΩみたいな形したミサイル打ち落とすのは一番主砲でしょ? いきなり波動砲なんだもん。しらけるよ。

第一艦橋が狭すぎる、ヤマトの乗組員の制服が上だけ(ちゃんとつなぎの白パン履けよ! 女はレオタードもどき!)、ヤマトのCGはパチンコかスロットの使い回しですか? パターン少な過ぎ! 森雪(黒木メイサ)はミスキャストだしオリジナルキャラの設定を変え過ぎ。「古代クン!」と儚げに呼び掛けてこそ森雪!

さらに、ワープ中の緊張感が皆無! 古代と雪なんてワープ中に子作りしてるし! 他の奴なんて食堂で飯食ってる! 何やってんの?w みんな緊張してシートベルトしてた原作は何だ?

ガミラス本星での最終決戦は、さらば宇宙戦艦ヤマトを彷彿とさせます。

山本のアレ(古代の楯になって撃墜され、敬礼しながら墜ちていくシーン)があるなら、加藤のアレ(古代を副座に乗せ無事ヤマトに帰還するも、操縦していた筈の加藤がコト切れていた)も入れるべき!

コスモゼロはちゃんと艦尾の甲板カタパルトから発進してほしかったし(注文が細かすぎるか? 否、そんなことはないはず。)、アナライザーがコスモゼロに合体してスターウォーズのR2D2みたいになってるのも驚いた。何より宇宙空間に放り出された森雪救出時に突如コスモゼロの機体が直角に折れ曲がったのに驚いた。

アナライザーといえば、唐突に8頭身になって獅子奮迅の大暴れでもう何が何だかわからん! あの暴れっぷりはまさにロボコン。

真田さんの四肢は実はロボットという逸話の割愛、無駄なキャストの性転換(医療班佐渡先生、通信班相原、をわざわざ女性にしている)。もう書くのも疲れてきた。

そもそも戦場に女なんぞそんなに必要ないんです。第一艦橋に相原以外にも女いたぞ?

紅一点でこその森雪なのに・・・。

イスカルダルにスターシアという女性がいないため後半出番のない古代守(堤真一)、撮影は全てセットの箱内と丸わかりなちゃっちいヤマト艦内、後は最近のアニメにありがちな綺麗な宇宙のCG。

台詞のひとつひとつを取っても原作と意味合いが全然異なっていたりでゲンナリモード。

どうしても、ヤマトをCGで、映画館のスクリーンで観たいという人以外にはオススメできません。

寝やしなかったけど、拙い芝居に対する笑いと原作を冒涜した怒りとを堪えるのに必死だったよ。まさに退屈な140分。

相変わらず、キムタクは手袋口にくわえてエレベーターから降りてくるしw この人、モノを口にくわえるって行為がかなり好きだね。

アニメの実写化・・・という括りだけで見れば、ヤッターマンの方がマシです。どうして原作通りの展開にしなかったのか、不思議でなりません。

そりゃ、西崎義展氏もマグロ漁船・ヤマトから転落するわな。合掌。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)大魔人 HILO[*] minus-zero[*] もがみがわ

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