コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 終の信託(2012/日)

辣腕検事・塚原(大沢たかお)の誘導尋問が巧みな作品。内容自体は現代版『高瀬舟』と言ってしまえばそれまでだが違う。ちゃんとした目的があってこの作品は作られている。詳細はレヴュー参照。病気を単に末期癌と設定せず喘息とした点も微妙な案配。もしあなたが体中に針やチューブをたくさん挿されて無理やり生かされている肉の塊になりたくないのなら…。
IN4MATION

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







今流行りの終活の一環として、家族と延命治療を望むか否かをよく話し合い、生前意思を書き残しておくべきだろう。

医師・折井綾乃(草刈民代)に下された判決は現状の日本では妥当。

それよりも、なぜ江木(役所広司)がなくなってから3年も経ってから遺族が告訴したのかが謎。

亡くなった江木に号泣しながら抱きつく綾乃を見て妻が感じたであろう嫉妬が原因だとしたら悲しすぎる。

その点を省いてでも塚原と綾乃の会話の応酬で、現代医療の延命治療と尊厳死のあり方について真摯に取り組んだ本作は十分にその役割を果たしたと思う。

その役割、つまりは冒頭に書いた『生前意思を書き遺して遺恨の残らない安楽死を望む旨の終活をしろ』ってこった。

僕はまだ当分死ぬつもりはないが、ドナーカードと安楽死希望の生前意思を書き記した書類を常に携帯している。

馬鹿げた行為だとはちっとも思っちゃいない。自分の死に方くらい自分で決めたいからね。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。