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[コメント] blank13(2017/日)

短尺の中で生前の父の記憶と故人となった父の空白を見事に描ききっている。ただ、家族葬でもない他人の葬儀で参列者が故人と自身とのエピソードを語らう、というシチュエーションがまずありえない。その点がマイナス。まぁ、力技と言うべきか。
IN4MATION

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







佐藤二朗は個人的に好きではないのでミスキャスト。場を仕切れてないし独り言みたいにブツブツ喋るいつものアレは超苦手。

参列者らから父の空白を知らされた後の兄弟の「父への思い」の差が対比として描かれていて上手いなと思った。

兄は父の善き人である部分を受け入れられず、できれば嫌いなままでいたい。

弟は父との楽しかった思い出も少なからずあるので、(年齢的に苦労の度合いが兄より少なかったせいも多いのだろう)完全に父を嫌うことはできない。

この温度差。

そして何より喪服は着たが葬儀には参列しない妻。

13年前に置いて出て行った吸いかけの煙草をひとくち吸って咽る。

お金にはルーズで家族を棄てた男ではあるが、最後まで憎みきることはできなかったのだろう 。少なくとも「死んでくれて清々した」という雰囲気ではない。そこを明確にしない余韻もまたいい。

弟の彼女の妊娠が3ヶ月。父の余命が3ヶ月。

彼女的には親子関係がよくないと知ってても見舞いは勧めるだろうし、自分も好きな人の父親に会っておきたいところ。

松岡茉優は本当に演技が上手い。

故人の火葬中にうとうとしちゃうとことか、演技なのか素なのか。

リリー・フランキーのダメっぷり。

一見ちょっといい加減な人生送ってそうな中年オヤジの上手さといったらもう安定の域。

東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』以前には、こういう役は一体誰が演じていたのだろう? もはや想像もつかない。

総じて映画監督・斉藤工、やるな。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] ぽんしゅう[*]

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