[コメント] ラストレター(2020/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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岸辺野裕里の行動が気持ち悪い。
姉・未咲の死を伝えるつもりで同窓会に出席したが、理由はどうあれ、なりすまして帰ってくるという愉快犯。
普通に考えたら同窓会の葉書に当人が死去した旨を書き記し返信すれば済む話。
高校生時代の彼女も、未咲を慕う鏡史郎のラブレターを姉に手渡さず自分が読んでいたという前科があり、どうにも共感できない。
この姉妹の娘、鮎美と颯香らも未咲になりすまし、鏡史郎の手紙に返信する。
鏡史郎の手元には未咲になりすました裕里からの手紙も届いているので、その両方の筆跡の違いに気づかず(設定上無視して)両者共に返信する間抜けな鏡史郎おじさん。はい、笑うところです。
廃校になる高校をぶらつく鏡史郎が鮎美と颯香と偶然出会います。
おじさん、JKしかいない家に誘われるまま上がり込むのですが、傍から見たらロリコンの変態です。気持ち悪い。普通に考えたら通報モノですよ?
鮎美宛ての母からの最後の手紙はなぜか卒業式に読んだ卒業生代表の答辞。
はぁ? 娘宛ての最後の手紙ですよ、いわゆる遺書ですよ?
ちゃんと書いてから自殺しろ。
制服姿・ノースリワンピ姿の広瀬すず・森七菜両名が微笑ましく高評価をつけそうになるも、岸辺野裕里(松たか子)の「やったぁー、先輩と初めて握手できたぁー」とはしゃぐ40代おばさんの嬌声に、ハッと我に返ります。
ごめん、全力で気持ち悪いです。
人生において、初恋は誰しもが美化して心のどこかに置いておくものだとは思うけれども、それを40過ぎてなお言葉にして口から発したり、日々思い出したりって、なかなかないと思うんです。
今には今の伴侶がいたり生活があったりで、本当に日々生きるのに精一杯で、毎日いろんなことに忙殺されて時間が過ぎていき、そんな暇なんかないんです。
それをこの映画は鏡史郎の「25年間思い続けてきた」という気持ち悪〜い一言で映画に没入することを強制してきます。
ならば、どうしてもっと早く美咲を探して会いに行かなかったのか、鮎美が仏前で鏡史郎に言う台詞ですが、ごもっともだと思います。
行動にも移さず、ただうだうだ思い悩んで44歳になってしまった、ただの「こじらせおじさん」です。
というわけで、広瀬すず・森七菜はとても魅力的に撮られていましたが、周囲のおじさん・おばさんたちは妙に年甲斐もなく色気づいてて、気持ち悪い作品に仕上がっていました。
余談ですが、神木隆之介くんは一体何歳まで高校生役を演じられるのでしょうか。驚異の一言です。
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