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[コメント] ゴダールの映画史 第1章すべての歴史/第2章単独の歴史(1989/仏)

眩いばかりの映像の反復、明瞭さをもってよしとする引用の織物。ゴダールの手にかかれば、かくも優雅な喪の作業。願わくば遺産相続志願者がでないことを!!!
ゴルゴ十三

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







誰がそもそも「映画」など在ると想うのか!資本以外に「映画」を特徴づけるものが有るとでも言うのか!「映画」の明晰性が引用に依存する事無しに顕われる所を一度でいいから観てみたいものだ!

「映画」の歴史を捏造する権利は、ある種「映画」なるものの確実性を担保する形而上学で保証される。では「映画」の確実性とは何か?心象=風景の対応により惹起される身体感覚か?そんなものには場末で饐えたにおいのする恋愛がお似合いだ。みんなが一斉に同じころ同じ方向を観て自閉症自己愛と国民的連帯を深める事か?バッカみたい!

ゴダール氏はその優雅な手法で、「映画」には資本の働き以外がその内包として認められない事を、また、実体が無いので外延は定まらない事を(大人1800円)、自己反駁的に示し切った!映画を優美に葬り去る偽悪的な己の姿をスクリーンに投影して自己満足に至る、正しく末期的社会の自閉的ナルシズムに幸いあれ、と祈る。そして、あくまで優雅な氏と「映画」の偉大な死の、幸福と健康そして安寧を祈る!!

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