[コメント] インファナル・アフェアIII 終極無間(2003/香港=中国)
「1」観てないと全く何の話かわからねえっての!終わってみれば「1」はトニー・レオン、「3」はアンディ・ラウメインでいきましょう!ってのはわからなくもないが、悲しい事に「1」の脚本で弱かった部分がモロに影響が出ている。
「アンディ・ラウ演ずるラウ警部のモチベーション不在」
これが本作では大きく響いてしまった。これは『インファナル・アフェア』の時点でも気にはなっていたのだけれど、「1」に関していえばトニー・レオンの演技及びキャラクターで目をつぶれる部分だった。少なくともオレはつぶった。ところが今回はそのラウが主人公なもんだからこれはかなりキツい。主人公の感情が、観てるこっちは頭では何となく理解できても情報・エピソードとして画面にはっきりと提示されていない分、どうしても彼の行動が画面上で空回りしてしまうのだ。
今作は特に演出的にも色んな脇役を介して時には斬新に、時には強引にヤンとラウの対比をしているのだけれど、それもこれもやっぱりそもそものラウ警部の心情をきちんと描いていない事には互いが「光と影」にはなり得ていない。まあきちんと描いた所でこの二人は「光と影」と言う関係性ではなく、強いていえば「暗闇で光を失わなかったものと闇から光に憧れるもの」と言う事になるのだろうか。
とは言えサスペンス物として観ればそれなりに楽しめもするのであろうが、大前提として「1」を観ていないとキャラクターの関係性が全くわからないつくりになっている以上、いきなり今作をそういう風に観ろというのもかなり無理のある話で、オレ自身今作のストーリーに関して「なるほど」とは思ったけれど、根っこの部分の救済が無かった以上カタルシスは今一つ少なかったかなと。
という訳で★3、002位なのだが、タイトルロールのカッコよさに痺れたので何故か切り上げで★4
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