やっぱり映画だって観る心構えってのがあって、それをすかされるとそれだけで満足度が下がることが良くある（いい方にすかされることもあるにはあるけれど）。特に本作みたいな割と骨太のしっかりした映画なんかだと本当に勿体無いなあと思うわけで、ジョン･ル･カレだのフェルナンド･メイレレスだので釣られて観に行くような連中は映画好きだからほっといても良いけど、そうでない連中にはそこまで「愛」を押し出さないと売れないのかね。そんなに愛に飢えてるのかね。オレに一言言ってくれれば（以下略。最近では「愛」ってうたってあると逆につまんねーから愛とか前面に出してるんだろうなと穿ってみるようにすらなりつつもある。

それにしてもビル･ナイはその髪型ともあいまってオレの中で『スティル･クレイジー』もしくは『ラブ･アクチュアリー』の陽気なオヤジという印象が強いもんだから、こういうまともな役をしているとどうしても違和感を感じてしまうよ。「お前がひらめのムニエルってガラか！」みたいな。