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[コメント] 突入せよ! 「あさま山荘」事件(2002/日)

この作品のメインテーマは「管理職の悲哀」。それはそれでいいのだけれど、何だか高級食材で家庭料理を出された気分。不味くはないけど勿体無い。
ごう

金融腐食列島』で見られた小気味のよいテンポが無い。そもそも、メインであるはずの突入シーンよりも会議のシーンの方が面白いという時点で監督はマズイ!と気付くべきだった。

もう一つ難点を言えば、そこそこ名の知れた役者連中を中途半端に使いすぎたこともある。武田真治程度の出番ならカメオ出演扱いで納得もするが、一番疑問だったのが椎名桔平の起用。演技を付けないで済むほどの役ではないが、かといって重要な役では決してない。遠藤憲一にしてもそうだ。彼らクラスが出てくると、観客はどうしても「お!このキャラどう絡んでいくのかな?」と思ってしまう。ところが何も無いまま終わってしまうと、観客はどうしても注目した分その部分で消化不良を起こしてしまう。「ネームバリューのある役者」の「Value」が悪い方に働いたのではないだろうか。

ただ、原田眞人監督には期待するものがある。この監督には(よい意味で)芸術ぶった所が無い。「今の日本映画には王道が欠落している」とは織田裕二が言った言葉だが、原田監督には、まさにこの日本映画の娯楽としての「王道」を担えるだけの才能があると俺は思う。今回の作品で経験したことを糧にすれば次回作はサスペンスであってもアクションであっても面白いものになるだろう。

今回のコメント、エラソーだな、俺。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)chilidog[*] はしぼそがらす[*] ジャイアント白田[*]

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