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[コメント] リバー・ランズ・スルー・イット(1992/米)

自分の信じるものを貫く者の美しさとはかなさ。 それをただ愛し見守ることしかできない者の無力さとせつなさ。 川は人々の営みを眺め流れる。
してんちょ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







自分の信じるものを貫く者の美しさとはかなさ。

次男ポールは堕落者と同時に気高い心の持つ者。 オートミールを拒んだ少年は、ネイティブ・アメリカンの女性メイベルを体制に逆らってでも愛する青年へと成長。 ギャンブルに自分を貶め、家族は救いの手を差し伸べるが、彼はそれをすり抜け、自分の信じるままに生き、はかなく散る。 家族だからこそ助けてもらいたくない、巻き込みたくない、という気持ちは馴れ合いの家族関係を経験してこなかった人なら同情できると思う。

それをただ愛し見守ることしかできない者の無力さとせつなさ。

長男ノーマンは実直な中にリベラルな明るさを持つ者。 みんなに愛される弟ポールをどこかで嫉妬しているかもしれない。 でもそれよりも弟の時代を凌駕した精神、それは同時に風に吹かれる葦のような意思のようでもあるが、そのあやうさを思い案じ、守りたいと思う。 でも自分の力では弟の意思を止められないことも理解している。 そして兄は両親と共に、弟を愛する。 

川は人々の営みを眺め流れる。

そんな人間たちの不器用で不自然な営みを眺めながら、川は流れる。 川はマクリーン家の営みの証人。 だからノーマンは年老いてもなお川へ向かい、川と思い出を語り合う。 自然は何でも覚えている。 海・川・山、思い出が宿る場所へ行けばいつでも、自然は一緒に思い出を語ってくれることだろう。

(評価:★5)

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