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[コメント] セルピコ(1973/米)

むかしむかし−
mimiうさぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







賢い王様が収める平和な国があった。それをやっかんだ魔女は、ある晩、王国中の人が飲む大きな井戸に毒を入れた。その水を飲んだ民はみな気が変になってしまった。賢い王はそれに気づいて水を飲まなかったので、気がふれることがなかった。王はなんとか皆を元どおりにしようとしたが、出来ない。ついに王以外のすべての民がその水を飲んで気がふれてしまった。民は相談した。王は頭がおかしい。クビだ…と。その晩、王様も井戸の水を飲んだ。翌朝、皆は王様が正気になったと喜んで踊った。(思い出しながら書いているのでちょっと違うかもです)

この昔話が妙に印象的だった。この昔話がこの映画の神髄であり、その脚本の上手さに鳥肌が立った。

しかし、その上手さが全体に及ばなかったのが残念。とても考えさせられて、良い映画だと思う。時に、実話はその「史実」という枠にとらわれて、面白味に欠けたモノになりやすい。本作はそういった意味で、全体的に「史実」捕らわれてしまっているのではないだろうか。希望を出せば転々と職場を移らせてもらえる環境も、日本人の私には理解し難い。

この時代の映画は、人物を遠くから写す。その事もイマイチ感情移入出来ない要因だろうか。ストーリーを後で思い返してみて、その重大さと正義の如何について考えさせられた。けれど、映画を見ている最中は、そこまでセルピコに思い入れる事が出来なかった。

セルピコという人物より、警官でありながら刑事達より秀でた眼光を持つアル・パチーノの演技力の方に目がいってしまった。怖さを振り切って単身犯人を捕まえる時の半狂乱の姿は、とても素晴らしい。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ガラマサどん terracotta[*] シーチキン[*]

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