[コメント] ゴーストワールド(2000/米)
永遠だと思われた友情。何よりも掛け替えのないものであったそれが幻のように消え去ってしまったとき、私は大人になったんだろうか。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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友情は永遠だと思っていた。
けれど、結構あっさりしたものだった。
中学のときの親友、高校のときの親友は今どこで何をしているのかさえ解らない。あれほど気が合っていて、いつも一緒だったのに。
友情はもろく崩れやすい。だから深入りしない方がいい。傷つかないうちに。
こんな事を書いているから、「引きこもりの気がある」なんて言われちゃうんだけれど、やっぱりどこかでその時の傷を引きずって大人になっちゃったんだ。
自分たちで描く理想郷。そこはやっぱり非現実で、そこで生きていくことは出来ない。カウンセリングを受け現実に馴染もうとするシーモア。「お金を稼がなきゃ生きていけない」とウェイトレスをはじめるレベッカ。そこへどうしても行く事が出来なかったイーニドはどこへいったんだろう。
死んじゃったのかな?
それとも、救いを誰かに求めたんだろうか。
あのバスが向かった先はどこなんだろう。
坂を登りきったバスからの気色。街を見下ろしたとき、彼女はその街で再び暮らそうと思ったんだろうか。
レベッカはお母さんのところに戻ったウェンディ。イーニドはピーターパン。「大人になりたくない」そう願いいつまでもネバーランドに留まったのだ。そしてそのピーターパンに教えられる。「あなたにも確かに青春があったんだよ。」と。イーニドの苦い想いが、私のほろ苦い青春を思い出させてくれた。
そして、私は大人になった。
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