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ゑぎさんのコメント: 更新順

★4鬼軍曹ザック(1950/米)本作も低予算がゆえの撮影現場での創意のあとが実に良くわかる。例えば、冒頭の戦場の場面でもエスタブリッシング・ショット(空間全体を引いて見せるカット)が使えないのだが、しかしそれを逆手にとり、考え抜かれた効果的なアップ画面で実に強い画を提示して見せてくれている。 [review][投票(1)]
★4赤い矢(1957/米)これは傑作。まず何といってもファーストカットは特筆すべきだ。横たわった兵士を横移動しながら黒い馬がフレームインするとラルフ・ミーカーが乗っている。その後、ミーカーはすぐにロッド・スタイガーに撃たれる。ここからスタイガーの顔のアップでタイトルが入るまで実に素晴らしい構図の連続なのだ。 [review][投票]
★3戦火の傷跡(1959/米)ファーストカットが死体の移動撮影。井戸?の看板の文字がタイトルだ。そこにポール・アンカの甘い主題曲が入る。この出だしもいい。タイトル開けから主人公・ジェームズ・ベストらの白兵戦が描かれるが、その後、この映画は単純なメロドラマなのだろうか?と思わせておいて、どんどんこちらの予想を裏切っていく展開も面白い。 [review][投票]
★3探偵物語(1951/米)昔見た時はリー・グラントが面白いと思ったのだが、見直してみると彼女の存在は作劇臭く少々鬱陶しい。作劇臭いということであればジョセフ・ワイズマンが一番作劇臭いが、それでも面白いから許せてしまう。 [review][投票]
★25 five 小津安二郎に捧げる(2003/イラン=日)小さな塊が殆ど動かない(微妙に動く)時点がスリリングでいいし、動き出した後、また運動が停止し小さな塊になるというのもよく出来ている。「もう終わらなければいい」という「永遠」を希求させる美しさ、柔らかさを持っているという意味で小津へのオマージュになり得ているのは3カット目だろう。他はどうってことない。[投票]
★4非情都市(1960/日)見事な画面造型。新聞社や監獄のセットもよく出来ている。撮影も三橋達也平田昭彦中丸忠雄と3人で会話する場面の光の回り等第一級だ。また、ラスト近くの柱を背にした司葉子とのやりとりや、度々登場する列車のカット等、抜群の縦構図が随所にあり、ハードな内容を組織することに実に効果的に使われていて感心する。[投票(3)]
★3蜘蛛の街(1950/日)設定はいい加減なのだが、しかし画はよく撮られている。男の子が団地の階段を上がるカットがクレーン撮影、なんてところも、まさかこゝでクレーンが出てくるとは思ってもみないので吃驚してしまう。 [review][投票(1)]
★4スーダラ節 わかっちゃいるけどやめられねぇ(1962/日)アバンタイトル〜タイトルバックからとってもいい調子。競馬のカットも女性の脚のカットもよく撮れている。ハナ肇以外のクレイジー・キャッツの面々は少ししか出番がないが、若松和子のバーのシーンで全員が登場する画面はゾクゾクした。或いはラスト近くのエレベーター内の描写等、画面作りが面白くキャッチする。 [review][投票]
★3男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎(1984/日)さくらも博も登場しない夢。根室のシーンも東京のシーンも雨ばかり降っている。そしてラスト、恒例のハガキの後に異例の長いシークエンスがある。このエピローグのとってつけたようなスラップスティックはどうしたことか。美保純(好演!)の唐突な登場と云い、試行錯誤の跡がうかがえる。渡瀬恒彦のやくざな雰囲気はいい。[投票(1)]
★3男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく(1978/日)木の実ナナがトラ屋で恋人の話をし始めるシーンのさくら・倍賞千恵子の表情が素晴らしい。寅のことを気にする表現が絶妙だ。こんな演技・演出を見てしまうとこのシリーズは、やはり、さくらが主役じゃないかと思えてくる。マドンナが弱くても倍賞が映画をひきたててくれる。またラストの田圃、稲の緑の美しさが忘れられない。[投票(1)]
★4歴史は夜作られる(1937/米)ファーストカットが手前に水上飛行機の羽根、奥に海に浮かぶ豪華客船を天上から映した大俯瞰で、もうこの時点でこの映画の出来具合が推量できる。しかし何といっても後半の船上の描写、特に霧の表現が見事だ。このあたりは全くもってグレッグ・トーランドの刻印。 [review][投票(3)]
★3男はつらいよ 葛飾立志篇(1975/日)勿論小林桂樹。彼が映画を支えている。だが一番忘れ難いのは夢のシーンだ。サボテンが映り乗馬が近寄ってくるロングショットから、サルーンでの上條、米倉、吉田義夫、そして「チェリー」倍賞千恵子の唄のシーンの見せ方の西部劇的演出!なんと器用なこと!山田洋次はハリウッドで本格西部劇を作ることが出来る監督かも知れない。[投票(2)]
★3男はつらいよ 寅次郎子守唄(1974/日)上條恒彦の告白シーンはシリーズ有数の感動的な告白シーンだし、京成関屋駅のシーンの十朱幸代はたまらん可愛らしさ。「ちょっとあなたに会いたくて。」マドンナの告白(返事)のシーンとしてもかなり上位に入る出来。 [review][投票(2)]
★3男はつらいよ 花も嵐も寅次郎(1982/日)シリーズのキス・シーンで云えば、満男と泉の新幹線ホームの場面や桃井、布施のカップラーメンを食べた後のキスや長渕が志穂美悦子を押し倒すシーンなんかも印象深いけど、しかしダントツで忘れ難いのが沢田研二田中裕子の観覧車でのキスだ。実にいい。本人達の気合も勿論なんだろうけど、やっぱり演出家の功績だと思う。[投票(2)]
★3男はつらいよ 翔んでる寅次郎(1979/日)桃井かおり湯原昌幸から救うシーンの渥美清の演技がすこぶる格好いい。フルショットのフレーミングも格好いい、とても良いシーンだ。また桃井の母親を木暮実千代が演じており、寅のことを「とらさま」と云う。小暮がトラ屋を訪れたシーンでのおばちゃんの慣れない上品な言葉遣いが可笑しい。[投票(1)]
★4妻(1953/日)なんという厳しさ。もう後半は始終ニヤニヤしっぱなしで見てしまった。冒頭の上原謙高峰三枝子の視線を交錯させない演出もいいけれど、やっぱりラスト近くの高峰と丹阿弥谷津子の対決シーンが素晴らしい。 [review][投票(1)]
★3男と女(1966/仏)映像詩なんて云うと格好いいがフランシス・レイに喚起された安直な即興撮影。ただしこれがとても快いので困ってしまう。特に車や馬の運動を横移動しながら撮ったカットは気持ちいい。エンディングを組織するための方便であることは判っているが、ベッドシーンのフラッシュバックと説明的なBGMがつまらない。[投票(3)]
★4小間使(1946/米)ラストがいいなあ。特にジェニファー・ジョーンズがボワイエの後を追って、邸宅を飛び出し走っていくロングカットがいい!この後続く列車のシーンの展開も素晴らしい。都合良過ぎる展開を誰も非難する気にならないだろう。何という自由。階級や因習からの開放。ルビッチの最後の最後も映画の幸福を謳って真に感動的だ。 [review][投票(2)]
★5夜の人々(1948/米)夜の人々』は悲痛な美しさをもった白黒映画だ。『俺たちに明日はない』のラストの派手派手しさが子供騙しのように感じられる。 [review][投票(1)]
★3フラッシュダンス(1983/米)画面は悪くない。ダンスシーンのみならず街並みや工場のシーンもよく設計されている。展開が陳腐でも人物のリアクションに違和感があっても、例えば主人公に助言を与える老女・ハンナのようなキャラクターを創出している部分がいいのだ。しかも、このハンナ役を『野のユリ』のリリア・スカラにやらせているのだから![投票]