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ゑぎさんのコメント: 更新順

★3招かれざる客(1967/米)はっきり云って映画的な演出じゃない。ご立派な登場人物達、黒人メイドの作劇臭さ等唾棄すべきだ。しかしそれでも本作のキャサリン・ヘプバーンの造型については最大級の賛辞を贈りたい。彼女は殆どのシーンで目を潤ませている。こんな主演女優が成立している映画は空前絶後だ。彼女を見ていると私も涙が溢れてくる。[投票(2)]
★3天使のくれた時間(2000/米)例えばドン・チードルの扱い、例えば娘との関係等、こゝをもっと描きこんでいたらなぁ...と思える部分が沢山あって惜しい。しかしティア・レオーニはとても魅力的だし、この映画にはとびっきりのバストショットが数ヶ所あり、それだけでOKだと思えてくる。それにしても娘とのシーンはよく出来ておりもっと欲しい。[投票]
★3男はつらいよ 寅次郎の青春(1992/日)前半、諏訪家の二階の部屋でスカート姿の泉−後藤久美子が脚を伸ばすシーンがあり、おゝ山田洋次のフェティッシュな趣味全開!と思う間もなく風吹ジュンが登場し、散髪の場面で後姿の脚カットを持ってくる。この散髪シーンの時間の流れがたまらんです。 [review][投票(2)]
★4お嬢さん乾杯(1949/日)ラストの畳み掛ける展開と原節子の科白が白眉だが、佐野&佐田のアパートの見せ方も忘れがたい。とてもモダンな造型だし1階から上昇移動で見せるカットが格好いい。バレエ観劇からボクシング観戦へ繋げる部分もいい。アイリスアウトやワイプの使い方も含めてコメディ演出はお手本のようだ。奇を衒わない木下はこんなに良いという例。[投票(2)]
★2女(1948/日)熱海の火事騒動から続く演出には瞠目する。木下恵介はこういう画も撮れるから侮れない。しかし、前半から斜め構図の使い過ぎが嫌らしいしアップカットの挿入が取ってつけたようで上手くない。小沢栄太郎の演技も臭すぎるが現在の演出では考えられないような古めかしいアップ挿入のタイミングが臭い演技を倍加して見せる。[投票]
★3わが恋せし乙女(1946/日)雄大な風景を舞台にする木下恵介作品はいいと思う。ヒロイン・井川邦子に対する演出は意味不明なまでに陽性だが、背景によく合っている。 [review][投票]
★3レジェンド・オブ・メキシコ デスペラード(2003/メキシコ=米)脇を豪華にした分、散漫になってしまった。それでもラスト近くの死者の祭り?の場面で登場する大きな髑髏の面などスペクタキュラーな造型でロドリゲスのセンスを感じる。これでもう少し空間的広がりがあればなぁと思いながら見たのだが、このスペースでも見事な縦構図で敵を殺すカットを見せるところが矢張り才能なのだ。[投票]
★4デスペラード(1995/コロンビア)ブシェーミタランティーノの馬鹿話、ナイフ投げのダニー・トレホ、終盤の助っ人二人の過剰なアクション、もう荒唐無稽で楽しいシーン満載の映画だが、しかし本作はベッド・シーンの美しさも銘記すべきだ。サルマ・ハエックの肢体の美しさと、素早いディゾルブを効果的に使った繋ぎの美しさ。[投票]
★4十兵衛暗殺剣(1964/日)近衛十四郎が十兵衛を演じる東映(当初ニュー東映)『柳生武芸帳』シリーズにあって一番の異端がこれだ。琵琶湖の湖族という異様な設定を示され度肝を抜かれるが、さらに大友柳太郎の悪役ぶりに驚いてしまう。これほど近衛十四郎が苦戦する作品は無いのではないかと思わせるラストの湖の決闘シーンは特筆に価する、凄まじい演出だ。[投票]
★3彼女だけが知っている(1960/日)犯行現場で探索する笠智衆のカットが美しい。この人の姿を美しいと感じたのは初めてかも知れない。また小山明子が逡巡するシーンで斜め構図のカットが使われるのだが、これにはドキリとさせられた。斜め構図は下手に使われると嫌らしいが、これは上手い使い方だ。高橋治の映画監督としての才能を随所で感じさせる小品。[投票]
★4未来警察(1985/米)まずはジーン・シモンズの悪役造型が忘れがたい映画だが、それだけでない、今見ても魅力的な細部がある。特にラストのエレベーターと蜘蛛型ロボットの使い方は出色。実に考え抜かれた活劇演出がこれでもかこれでもかと繰り出される。火花によるスペクタキュラーな画もいい。ジョン・A・アロンゾの夜の光の扱いにはグッと来る。[投票]
★3ファニー・ガール(1968/米)ハリー・ストラドリングの色遣いは楽しめるが、しかしミュージカル場面が悉く巧くない。特に白鳥の湖のシーンは醜悪。演じられている光景も下品極まりないが、誰のアイデアか俯瞰ぎみの斜め構図にカメラを傾ける演出が下品さに輪をかける。ラストのストライサンドの熱唱も白々しく感じる。ただしオマー・シャリフはいい。[投票(2)]
★4追憶(1973/米)本作はロバート・レッドフォードの圧倒的な魅力で支える映画だ。バーブラ・ストライサンドも勿論めちゃくちゃ目立っているのだが、レッドフォードの鷹揚で知性溢れる個性が映画を包み込む。私はシドニーなら断然ポラックを買う(ルメットじゃなく)。 [review][投票]
★3フライトプラン(2005/米)活劇演出としては、窓、ドア、階段を上手く見せている。汽車や飛行機を題材にすると窓やドアが沢山あり映画的な見せ場を用意しやすいが、機内に階段までこしらえているところがいい。また、ベルリンのアパートの禍々しい窓。『バルカン超特急』の焼き直しがお約束的に使われる部分はなんか気恥ずかしさも感じてしまうがご愛嬌。[投票]
★3ネバー・ダイ・アローン(2004/米)死体の回想形式という今となってはありがちな構成と思わせ、途中からプロットを転換して死体が残した録音テープによる回想形式という二重構造を取る。アーネスト・ディッカーソンはこの複雑なプロット構成を上手く見せている。 [review][投票]
★4椿姫(1936/米)どんなにやつれてもグレタ・ガルボは美しい。もうガルボを美しく撮ることにスタフが結集した女優映画だが、しかしそれだけでは終わらないジョージ・キューカーの繊細な演出が息づく傑作。 [review][投票(1)]
★4トイ・ストーリー2(1999/米)功名心(日本の博物館)と家族の絆という部分の作劇も上手いと思う。とにかくストレートな活劇として楽しい。ラスト近くの飛行場のシーンは本当に素晴らしいアクション・シーンだ。だがしかし、この映画がずば抜けていると感じるのは何と云ってもペンギンの扱い、その変貌だ。この演出がなければこんなに感動しなかっただろう。[投票(1)]
★3男はつらいよ 寅次郎の告白(1991/日)階段の映画。山田洋次が脚フェチであるということの証左をたちどころに5つは上げられるが、着物姿の吉田日出子が階段を上るシーンでふくらはぎを見せるカットはその最たるものだ。これは相当に違和感のあるカットである。 [review][投票(4)]
★3リディアと四人の恋人(1941/米)デュヴィヴィエは、込み入ったプロットを手際よく繋いでいる。リー・ガームスの軟調の画面も美しい。コットンとオベロンが連れ立っていく舞踏会、ボール・ルームの高速度撮影はため息の出る美しさだ。ハンス・ヤーライが盲目の子供達とピアノを弾く場面もいい。ただし、こゝでもオベロンはきっついルックスで興をそがれる。[投票]
★4縛り首の木(1959/米)高低の西部劇。斜面の西部劇はアンソニー・マンをはじめ沢山あるが、本作は鉱山という高低のある舞台設定を徹底的に活かした画面が際立っている。ラストの展開の性急さを非難することは可能だし、脚本家出身のデルマー・デイヴィスの作劇上の胡散臭さは誉められたものではないと思うが、しかしこれは圧倒的な画面の映画だ。[投票(1)]