ゑぎさんのコメント: 投票数順
ジャコ萬と鉄(1949/日) | 瀬川順一の撮影は屋外シーンの記録映画的な部分で素晴らしい効果を上げている。光の捉え方が絶妙だ。それに対して、谷口千吉の演出はどうにも一貫性に欠ける。 [review] | [投票(4)] | |
ローリング・サンダー(1977/米) | 傑作。ポール・シュレイダーのやや教条主義的な脚本をジョン・フリンとジョーダン・クローネンウェスが力漲る画面で強烈に緊張感を維持する。主人公ウィリアム・ディベインの内向的な情念の表出が忘れ難い。ラストでトミー・リー・ジョーンズが加わって暴力が爆発する展開は東映任侠映画好きのシュレイダーらしい。 | [投票(4)] | |
続・悪名(1961/日) | 宮川一夫の撮影技術の素晴らしさは前作より、この続編の方が際立っている。 [review] | [投票(4)] | |
ワイルド・アパッチ(1972/米) | これは大変な傑作。アルドリッチにとっては多分不満だったろう自作『アパッチ』(1954)の静かなるリベンジ。 [review] | [投票(4)] | |
OK牧場の決斗(1957/米) | とりわけ美しい空を見られることが忘れ難いカラー西部劇。美しい空が見られるから西部劇は好きだ。青空の下、荒野を駈歩(キャンター、かけあし)で行く画面の快楽。 [review] | [投票(4)] | |
シュレック(2001/米) | これは大人向けのアニメーションか?いやこの程度の毒気なら充分に子供向けだろう。元来子供は大人以上に残酷なものだ。例えばラストのフィオナ姫の帰結も私は驚きはしたが、考えてみると教育的というか優等生的だ。蛙と蛇で風船を作る屈託のないシーン等随所に現れるブラックユーモアは子供も大人も楽しめるだろう。 | [投票(4)] | |
スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃(2002/米) | 実を言うと旧トリロジーのファンだった私は無条件に楽しい。特にボバ・フェットなんて脇キャラクターの過去まで周到に作りこまれており、父親であるジャンゴ・フェットの見せ場が多い本作はとても嬉しい。また、壮年期(?)のヨーダの殺陣シーンは真に驚愕した。とても格好良く同時にとても可愛い! [review] | [投票(4)] | |
ビューティフル・マインド(2001/米) | 窓の映画。チョークで数式がいっぱいに書かれた窓。この映画の窓は実にスペクタキュラーな造型だ。ロジャー・ディーキンスの色使いもコーエン作品同様素晴らしい。しかし窓の内・外を異空間として機能させて「映画のサスペンス」を定着させるような演出ではない。ロン・ハワードの志向性ではないのだろう。 [review] | [投票(4)] | |
オー・ブラザー!(2000/米) | コーエンはプレストン・スタージェスなんて目じゃないことがはっきりと判る。ジョージ・クルーニーのクラーク・ゲーブルを想起させる野性味、デルマー役ティム・ブレイク・ネルソンのとぼけたリアクション演技が絶妙。そして何と云ってもベビーフェイス・ネルソンを演じるマイケル・バダルコの切れっぷり! [review] | [投票(4)] | |
現金に体を張れ(1956/米) | やっぱり実に面白い。実に巧い。蹄鉄の使い方。犬の使い方。素晴らしい。時制を交錯させる構成は今見ると驚かされないが、しかしこれが為にこの映画が随分面白くなっていることは確かだ。キューブリックは本作以降遺作『アイズ・ワイド・シャット』まで10本の傑作を連打するが、余りにも少ない本数だ。 | [投票(4)] | |
雪の断章 情熱(1985/日) | この頃の相米には圧倒的なパワーがあった。この画面の緊張感には只ならぬものがある。大林宣彦『姉妹坂』との2本立てで見たが、演出力の差とは恐ろしいものだとつくづく思った。ストーリ的破綻なんてどうでもいい。冒頭の長回し(18シーン・ワンカット!)のパラノイア的こだわり!あらゆる雪を描き分ける作家的野心! | [投票(4)] | |
終電車(1981/仏) | ヌーヴェルバーグの旋風を巻き起こし、硬直した仏映画からの逸脱を試みた人が晩年ではこのような仏映画の伝統を見事に継承した作品を撮ってしまう。その事の是非はともかくとして、こゝでのトリュフォーは全くもって完璧と云って良い程だ。黄金期の大監督の映画のような安定感。とにかくこれは素晴らしいスペクタクル。 | [投票(4)] | |
野性の少年(1970/仏) | まずアルメンドロスのモノクロ撮影の美しさ。自然光の扱いの巧さにはもう舌を巻く。森。屋外と屋内とのルックの調和。そしてロングとミディアムを基調にしながら絶妙に少年と医師をフォローしていく。時に心理的にも距離を置き、時に暖かな眼差しで。いい。トリュフォー+アルメンドロスは矢っ張りいい。 | [投票(4)] | |
宮本武蔵 完結篇 決闘巌流島(1956/日) | 巌流島での決闘シーンの表現はなかなか悪くない。海の光の美しさも特筆に価する。撮影者が変わり、前二作とルックがかなり異なっている。どちらが良いとか悪いとか云うつもりはないが、前作までの安本淳が落ち着いた色調でまとめていたのに対してこの山田一夫はコントラストを強調した光の扱い方をしている。 [review] | [投票(4)] | |
ウォレスとグルミット ペンギンに気をつけろ!(1993/英) | 細かな演出のアイデアは練りに練られたものでいちいち感心させられるが、バーナード・ハーマン風の音楽も実にサスペンスを盛り上げる。列車での追跡シーンは確かに驚愕ものだが、グルミットがペンギンを尾行するシーンなんかもイギリス映画の伝統を継承したサスペンスとユーモアで傑出したシーンだ。 | [投票(4)] | |
都会のアリス(1974/独) | まさに神業としか言いようのないファーストカット。ラストカットの空撮も比類ない。天使の視点とはよく言ったものだ。アメリカのモーテルで見るテレビの中の映画は『若き日のリンカン』。ラスト近く、列車の中でジョン・フォードの死を報じる新聞。 ただの郷愁ではない。ヴェンダースの「映画」に対する表明。 | [投票(4)] | |
インテルビスタ(1987/伊) | このマストロヤンニの登場の仕方といったら!フェリーニ晩年の傑作。 [review] | [投票(4)] | |
となりのトトロ(1988/日) | 矢張りちょっと物足りなさを感じる。『カリオストロの城』でのクラリスに対するルパンの想いやラナに対するコナンの想い(或いは各々その逆)が懐かしい。確かに、サツキのメイに対する想いが負けないぐらいの熱烈さで描かれているのだが、それでも宮崎駿には恋を描いて欲しいと思う。 [review] | [投票(4)] | |
CUBE(1997/カナダ) | 眼球のファーストカットからアヴァンタイトルまでで度肝を抜かれるし、音を感知するトラップの場面なんかも実にスリリングで良い。この監督は大した技巧派だと思う。しかし技巧で押し切ってくれればよいのに、厭世的な世界観のテーマ性を装うので何とも白けてしまう。青臭い教条主義の印象が残ってしまう。 | [投票(4)] | |
バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985/米) | この映画は確かに面白い。最大級に面白い。しかしその面白さのどれもが映画でしか出来ない、といったものではないのも確かなのである。こういう映画こそ貧しい映画なのだと思う。 [review] | [投票(4)] |