[コメント] 天国の口、終りの楽園。(2001/米=メキシコ)
本作でもエマニュエル・ルベツキのカメラは基本手持ちで、シーケンスショットへの志向(できれば全シーンにおいて、カットを割りたくない、というような息遣い)もうかがわせるものだ。
中盤(序盤というべきか)、ロードムービーになってからが顕著で、車の横並走で撮ったショットだとか、夜、ホテルの庭で酒を飲みながら、3人でダンスするショットだとか、良いカットも多々ある。
しかし、本作が、映画として必ずしも成功してると思えないのは、どうも大事な点が昇華不足と感じるからだ。例えば、天国の口という浜辺の出し方はもっとドキドキさせてくれるのかと期待していた(これは邦題によって、誤認させられたと云うべきだが)。あるいは、ヒロインのルイサ=マリベル・ベルドゥの切なさをもっと際立たせるべきだろう。男子2人(若きガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナ)とルイサの関係は、目まぐるしく移り変わるのだが、このプロット展開もエンディングに持っていくための単なる方便に過ぎない、ま、簡単に云えばワザとらしいと思えてくる。ルイサの描き方がもっと鮮やかであれば、ワザとらしい展開も帳消しになると思うのだ。
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